元抗がん剤病棟の看護師ブログ

抗がん剤病棟で勤務経験あり。抗がん剤に対して漠然とある「恐怖」「不安」を少しでも解消できるよう、私なりに知ってほしいこと、伝えたいことを書いています。知ることで解消できることもきっとあるはず。患者さん・家族に伝えるつもりで綴っています。

【抗がん剤の副作用】下痢ーーひどい場合、紙パンツを使って乗り切ることもあるんです!

久しぶりの更新になってしまいました><

 

いつもこのブログに訪問くださり、ありがとうございます*

 

 

さて、今回は、抗がん剤の種類によって、出現することがある副作用「下痢」です。

胃腸風邪や、腸炎などのウイルスやばい菌により下痢になることもありますが、抗がん剤のせいによって下痢になることもあるんです。

 

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目次

①定義

下痢とは、水分量の増加した糞便(泥状、粥状、液状、水様など)を排出する状態。

 

下痢は、1日の糞便中の水分量が200ml以上(または糞便の重量が200g/日以上)のもの

  ※普通便の水分量は90%以下←バナナうんち

  ※泥状便の水分量は80~90%←泥のような、ドロッとした便

  ※水様便の水分量は90%以上←ほとんど水っぽいシャビシャビの便

 

②発生機序

【一般的な発生要因】

・腸粘膜の障害による水分の吸収阻害

・腸蠕動(腸の動き)更新によって腸内容物の通過促進

・腸液分泌の亢進

 

【がん患者は様々な要因がある】

・腸管腫瘍や内分泌病変自体

・胃切除による消火液の分泌減少、吸収低下や迷走神経の切断

・骨盤や腹部への放射線治療

・経管栄養を行っている

★抗がん剤治療

★抗がん剤治療時の好中球減少による腸内細菌糞の変化や感染

 

③メカニズム

【急性】

・抗がん剤投与開始24時間以内に出現する

・持続時間は比較的短く、一過性である

コリン作動性による腸管の蠕動亢進により起こる

 

【遅延性】

・抗がん剤投与開始後24時間以降~数日後、通常投与後1週間ほどで発現する

抗がん剤やその代謝物が腸粘膜の繊毛の萎縮、脱落など腸粘膜障害により起こる

 

④リスクファクター(危険因子)

以下の項目に当てはまる人は、下痢が出現する可能性が、ない人にに比べ高くなると言われています。

・暴飲暴食

・食物アレルギー

・薬物療法

・放射線療法

・敗血症

・抗菌剤の使用

・心理的な緊張や動揺

・内分泌・代謝疾患

・腸管の器質的疾患

 

⑤下痢を起こしやすい抗がん剤

一般名(商品名)<略>

・イリノテカン<CPT-11>(トポテシン)

・フルオウロウラシル(5-FU(ファイブ エフユー))

・テガフール・ウラシル(UFT(ウーエフティー))

・メトトレキサート<MTX>(メソトレキサート)

・シタラビン(キロサイド)<Ara-C>

・ドセタキセル水和物<DOC・DTX>(タキソテール)

・ドキソルビシン(アドリアシン)

・エトポシド<VP-16>(ベプシド、ラステッド)

 

⑥症状

【随伴症状】

・下痢の伴う腹痛

・残便感(便がすっきり出た感じがしない)

・食欲不振

・悪心(吐き気)・嘔吐

・腹部膨満(お腹が張った感じ)

・肛門部の疼痛や出血

・肛門周囲のびらん(肛門周りの皮膚のただれ)

・体重減少

・脱水症状(口渇・皮膚乾燥など)

・その他

  ・全身倦怠感

  ・意欲低下

  ・精神的な不安

 

⑦治療

【薬物療法による支持療法】

1.止痢剤・整腸剤の使用

・止痢剤は、下痢を止める薬です。

消化管の平滑筋や副交感神経に働きかけて、腸管運動を抑制させる。

(商品名:アヘンチンキ、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン)

・整腸剤は、腸の働きを整える薬です。

腸内で糖を分解して乳酸を発生してpHを下げ、有害菌の侵入・増殖を抑制し、腸内異常発酵を阻止する。

 (商品名:ミヤBM、ビオスリー、ラックビー、ミルラクト、ラクトミン)

2、輸液療法

脱水予防のためや、電解質バランス保持のために点滴により治療する場合もあります。

 

【薬物療法以外の支持療法】

食事療法

  *食物繊維や脂肪の多い食品・腸管に刺激のある食べ物は避ける。

  *消化のよい形態・内容などの工夫を工夫する。

  *食事を数回に分けて摂取する。

  *電解質を含むスポーツ飲料を摂取する。

・肛門周囲のびらん・感染を予防する

  *清潔に保つようにする。

  *悪化してしまった場合は、軟膏やクリームを塗布します。

・心身の安静保持

・腹部の温罨法

  *ホットパックや湯たんぽでお腹を温める。

・患者・家族の下痢に対する受け止め方

 

⑧私の体験談

ポータブルトイレ(簡易トイレ)を使用する

実際に、抗がん剤治療により、下痢に苦しむ人っているんですよね。

便秘もつらいですが、下痢もつらい・・・。

もし、大部屋とかでトイレから離れている場所だったりして、間に合わない・・・という場合は、ポータブルトイレという簡易トイレをベッドサイドに置いて、そこで用をたしてもらうこともあります。

匂いや音を気にされる人もいますが、そこは入院中ですのでお互いさまといった感じです。

 

紙パンツを利用する

人によっては、お腹にふっと力を入れるだけで、少し出てしまう人もいます。

下着が汚れるのを防ぐために、一時的に紙パンツ(パンツタイプのオムツ。リハビリパンツともいう)を使用したり、女性だと、生理用ナプキンの夜用(大きいもの)を使うひともいます。生理用のナプキンに関しては、もともと経血を吸収するものなので、便をうまくキャッチできるかというと専用のものではないので注意が必要です。

 

⑨最後に

患者によって、リスクファクターも含め、症状の程度は異なるので、「ちょっと柔らかい便だったな」「1回だけ水っぽい便があったな」という程度の人もいます。

副作用の下痢が生じているときは、お腹がキリキリ痛かったり、トイレから出られないという不安もあると思います。

でも、その症状は一時的なもので、薬に頼りながらその期間を乗り越えれば、必ずおさまります。

その間に気を付けたいことは、下痢が続いたり、食事・水分が摂れなくなって、身体の水分が減ってバランスが崩れてしまった状態「脱水」に気を付けることです。最悪の場合は体重減少まで至ることもあります。

下痢やトイレの回数を気にして、水分を控えてしまう人もいますが、水分は摂取してください。それをスポーツ飲料に変えると尚良いですね。

 

自然に収まるなら、自然に治したい!という人もいますが、薬や点滴に頼ることを恐れずに、一時のことと割り切って、自分が楽に過ごせるようにしていくのが、早く終わらせる一歩だと思います。

 

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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