元抗がん剤病棟の看護師ブログ

抗がん剤病棟で勤務経験あり。抗がん剤に対して漠然とある「恐怖」「不安」を少しでも解消できるよう、私なりに知ってほしいこと、伝えたいことを書いています。知ることで解消できることもきっとあるはず。患者さん・家族に伝えるつもりで綴っています。

【抗がん剤の副作用】骨髄抑制【2】白血球減少ーー風邪を引きやすい?免疫が落ちているからです!

前回の続きになります。

 

motokouganzains.hatenablog.jp

 

今回は、血球が減少するとどんなことが起こるのかみていきましょう!

f:id:moko-L:20170623060002p:plain

白血球(好中球)減少

好中球:体内に侵入した細菌や異物を貪食して排除する役割

好中球減少:好中球が1500/μL以下に減少した状態

      一般的には抗がん剤投与後7~14日で最低値、21日ごろに回復する。

<感染症と症状・特徴>

好中球が少なくなると、体内に入ってきたばい菌をやっつけることができないので、免疫力が低下して、風邪を引きやすくなったり、感染症を起こしたりします。

部位によって、出る症状などは様々です。

頭皮→毛嚢炎

頭→髄膜炎:頭痛、頸部前屈困難

耳→中耳炎:耳漏、耳痛

口→口内炎・扁桃炎:口腔粘膜発赤・潰瘍・疼痛、扁桃の発赤・潰瘍・疼痛

呼吸器→上気道炎・肺炎:咳嗽(咳)、痰、喘鳴(ぜーぜーする)、呼吸困難

腎臓・尿関係→尿路感染:頻尿、残尿感、尿混濁

目→結膜炎・眼内炎:目の充血、眼脂(目やにの増加)

鼻→副鼻腔炎:鼻汁(鼻水)、鼻閉感(鼻づまり)

お腹→腸炎:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、腹部膨満感(お腹の張り)

お尻→肛門周囲炎:肛門周囲発赤、潰瘍、疼痛

 リンパ節の主張・熱感・疼痛、悪寒、戦慄、発疹

カテーテル挿入部の発赤・腫脹・疼痛、38度以上の発熱、ショック

 

<予防対策>

(1)患者とともに検査データを確認、nadir(ナディア(最下点):血球数が一番少ない数になった状態を意味する)を予測しながら感染兆候の早期発見

⇒血球の下がり始めに指導

(2)カテーテル類は必要最低限、知己的に交換や消毒

⇒週に1回IVH(中心静脈カテーテル)ルート交換・消毒、DIV(末梢点滴)ルート72時間交換←DIVルートの同一部位での長期留置は感染源となるので、医師と相談して交換を検討します。点滴が取りにくい人などは、その限りではありません。

(3)患者には感染予防のためのセルフケアを促す

⇒評価。必要であれば再指導する。

(4)副作用にて苦痛出現時にセルフケア困難になったり生活動作が低下

⇒清潔ケア介助、手洗い・うがいの介助や声掛けを行う。

 

<発熱性好中球減少症(FN)>

好中球500/μL以下で体温が37.5度以上になりほかに発熱原因がないもの。

早期からのG-CSF(顆粒球刺激因子)の投与が有効。

G-CSFというのは、簡単にいうと、血球を増やすのに働きかける薬のこと。

商品名でいうと、グラン、ノイトロジンが私の病院ではよく使われていました。

 

<看護ケア>

①無菌送風装置のついたベッドの使用

私の病院では、nadirの人にはエアテックという空気清浄機みたいなものを、ベッドの頭側に設置していました。

②感染予防行動の指導、評価:含嗽、手洗い、清潔ケア

③医療従事者はスタンダードプリコーションを遵守し感染伝播の予防

患者ごとに手洗い、アルコール消毒、1っ処置につき1手袋、マスク

④抗菌薬の予防投与

ニューキノロン(シプロキサン、クラビット)の投与

⑤抗真菌薬の予防投与

・カンジダ感染症の予防にジフルカン内服(フルコナゾンカプセル等)

・アスペルギルス感染の予防にイトリゾール内服←私の病院では、血液疾患の患者中心で投与。

⑥抗ウイルス薬の予防投与

・タンジュンヘルペスウイルス感染予防にゾビラックス内服⇒免疫抑制の強い場合、前回の治療で水痘帯状疱疹発症した患者に予防投与

⑦G-CSF(顆粒球刺激因子)の使用

・発熱性好中球減少症の発症確率が20%を超す場合は予防投与

・発熱のない好中球減少患者に対して投与すべきでない

⇒血液内科ではレジメン(抗がん剤のコース内容)に組み込まれていたり深いnadir予測、前回深いnadirになった人は予防的に使用 

⑧環境の予防

・シャワーや水回りの水切り ※私の病院では加湿器や生花の持ち込みは不可でした。

・小さな子供や感染症状ある人との接触を避ける。※面会制限がされます。

・室内の掃除・清掃。※入院中は助手さんがベッド周囲などの清掃を行ってくれる。

⑨食事の予防

・生肉・生卵・生魚介類・発酵物の摂取を避ける。※病院食を一時的に変更する場合も。

・基本的に加熱したものを摂取

・果物は新鮮で皮の剥けるものを切ったらすぐ食べる例:みかん、リンゴ、ぶどうなど ※患者によってカリウム制限がある人は要相談。

・管類は開封直後に摂取。飲料は直接口につけて飲まず、コッ1プ等にうつしてのむ。1日で飲み切り、飲めなかったものは処分する。

★食事に関する制限は、現在ではかなり緩和されており、病院によって指導もばらつきがあるようです。気になるものは、主治医に確認してください。

私の体験談

抗がん剤を使用すると、必発する骨髄抑制。

体の中で起きていることなので、自覚症状がなくてわからない人もたくさんいます。

医療者間での申し送りなどでは、血球の減少の程度を有害自称共通用語基準に基づいて、グレード(Grade1~4)で表現したりします。

例えば、「○○さんは今Grade4のnadirで~」みたいな感じでした。

私が勤めていた経験上で、やっぱり血液疾患(悪性リンパ腫や白血病)の患者さんには、骨髄抑制が強く起こり、長引いてしまう人も多かったです。

そういう時にG-CSFの使用はルーティンのように行い、治療も回数を重ねると予防的に投与したりしていました。

骨髄抑制が始まって、血球が回復するまで、G-CSFの効果を判定する目的も含めて、1週間に採血を2~3回することもあります。

抗がん剤病棟では、入院患者50人いるとしたら、多いときは朝に35人分も採血することもあります^^:

 

白血球(好中球)が減少するので、口内炎や口腔粘膜に潰瘍ができてしまったり、もともとあった虫歯が悪化してしまい口腔外科にフォローに入ってもらうこともありました。

また、もともと腎臓が悪くて、尿路感染を再発して、尿路感染症の治療をしていた人もいました。

 

これらは、自分でどうすることもできない部分もあるんですが、感染予防行動は自分でできることなので、ぜひともやってもらいたいです。

家族の配慮も大切で、骨髄抑制の時期は、身近な人のみの面会に限ったりして、外部からの感染を防ぐことも大切です。普通の人が大丈夫な菌も、骨髄抑制の患者さんにとっては、重篤化しかねないので。

 

血球減少が起こると、血球が回復するのを待つことになります。

それが、なかなかもどかしくて、思うように回復しない場合もあったりして採血結果に一喜一憂することもあります。

ですが、血球の回復は必ずきますので、焦らず、感染予防に努めて待つしかないのです。治療が複数回にわたり、ある程度患者のnadirの流れを把握したら、予防策も取りますので、治療の流れの一環として受け止めてください。

 

 

血小板・赤血球減少については、長くなってしまったので、【3】に続きます^^

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

更新の励みになります。応援クリックお願いします!


読者様も絶賛募集中ですので、お気軽に登録お願いします^^*

 

資料請求でヘアキャップもらえます^^

全国に店舗があるので、お試し&アフターサービスも安心。

入院時の必須アイテム、ミネラルウォーター!激安です

 


広告

応援お願いします
にほんブログ村
にほんブログ村